この記事を書いた人

日本泌尿器科学会泌尿器科専門医の資格を持ち、医師として約10年医療現場に立つ。
2026年10月に原木中山でクリニックを開業予定。
男性更年期(加齢男性性腺機能低下症、LOH症候群)は、主に40代以降の男性に見られる症状で、男性ホルモン(テストステロン)の減少が原因で心身の不調が現れます。更年期というと女性特有のものと思われがちですが、男性にも同様の変化が起こります。
仕事のパフォーマンスが落ちた、疲れやすくなった、気分が落ち込むなどの症状が続く場合、単なる加齢ではなく「男性更年期」の可能性があります。
男性更年期の症状
男性更年期の症状は、身体面・精神面・性機能の3つに分けられます。
身体的な症状
・疲れやすい、倦怠感
・筋力の低下、運動能力の低下
・ほてりや発汗
・関節や筋肉の痛み
・睡眠障害(寝つきが悪い、途中で目が覚める)
精神的な症状
・イライラしやすい、怒りっぽくなる
・気分が落ち込む、うつ状態
・集中力の低下、記憶力の低下
・やる気が出ない、意欲の低下
性機能の変化
・性欲の低下
・勃起力の低下(EDの症状)
男性更年期の治療
男性更年期の治療には、ホルモン補充療法や生活習慣の改善、薬物療法があります。
ホルモン補充療法(HRT)
テストステロン補充療法(TRT)は、男性ホルモンが著しく低下している場合に行われます。注射や貼り薬、ジェルタイプなどがあり、医師の指導のもと適切に行います。
生活習慣の改善
生活習慣を見直すことも大切です。
筋トレや有酸素運動といった運動する時間を取り入れたり、バランスの良い食事や睡眠、ストレスをため過ぎないことが改善につながります。
男性更年期を放置するとどうなる?
男性更年期の症状を放置すると、以下のリスクが高まります。
・うつ病や不安障害の悪化
・骨密度の低下による骨粗しょう症のリスク増加
・生活習慣病(糖尿病・高血圧・脂質異常症)の悪化
・人間関係や仕事への悪影響
男性更年期は「年だから仕方ない」と諦めず、適切な治療を受けることで改善できます。
男性更年期かも?と感じたらご相談ください
「最近なんだか調子が悪い…」と感じる方は、一度泌尿器専門医にご相談ください。
あなたの健康と充実した生活を取り戻すために、適切なケアを始めてみませんか?