尿路上皮がんとはどのようながんですか?
尿路上皮がんとは、尿の通り道である「尿路」にできるがんの総称です。尿路は、腎臓で作られた尿が流れる腎盂(じんう)、尿管、膀胱、そして尿道までを含みます。これらの内側は「尿路上皮」という同じ種類の細胞でおおわれており、この細胞から発生するがんを尿路上皮がんと呼びます。
発生する場所によって名称が異なり、腎盂や尿管にできれば「上部尿路がん」、膀胱にできれば「膀胱がん」と呼ばれますが、細胞の性質は基本的に同じです。そのため、同じ患者さんに複数の場所で発生することもあります。
尿路上皮がんの症状にはどのような特徴がありますか?
尿路上皮がんの代表的な症状は「血尿」です。特に、痛みを伴わない血尿が突然みられることが大きな特徴です。尿が赤くなる、茶色っぽくなるといった変化に気づいて受診される方が多くいらっしゃいます。
そのほか、頻尿や排尿時の違和感、腰や背中の痛みが出ることもあります。ただし、初期には自覚症状がほとんどない場合もあり、健康診断の尿検査で偶然見つかることもあります。
「痛みがないから大丈夫」と思わず、血尿が一度でもあれば早めに泌尿器科を受診することが重要です。
尿路上皮がんと膀胱癌の違いは何ですか?
尿路上皮がんと膀胱癌の違いは、発生する場所にあります。膀胱癌は、尿路上皮がんのうち「膀胱にできたもの」を指します。
つまり、膀胱癌は尿路上皮がんの一種です。一方で、腎盂や尿管にできた場合は「腎盂がん」「尿管がん」と呼ばれますが、いずれも同じ尿路上皮から発生しています。
治療方法や経過観察の考え方には共通点も多いですが、発生部位によって手術方法や治療方針が異なるため、正確な診断が大切になります。
尿路上皮がんの原因は何が考えられますか?
尿路上皮がんの原因として最も大きいのは喫煙です。たばこに含まれる有害物質は血液を通して腎臓でろ過され、尿中に排泄されます。その際、長時間尿路上皮に触れることで、がんのリスクが高まると考えられています。
そのほか、特定の化学物質への長期暴露、慢性的な炎症、加齢なども関係するとされています。男性に多いがんですが、女性でも発症します。
禁煙は予防の観点からも非常に重要です。すでに禁煙している場合でも、過去の喫煙歴がリスクに影響することがあります。
尿路上皮がんの検査はどのように行いますか?
尿路上皮がんの検査は、まず尿検査や尿細胞診から行います。尿細胞診では、尿の中にがん細胞が含まれていないかを調べます。
さらに、超音波検査やCT検査で尿路全体を確認します。膀胱に病変が疑われる場合は、膀胱鏡検査を行い、直接内部を観察します。必要に応じて組織を採取し、顕微鏡で詳しく調べて確定診断を行います。
血尿の原因はさまざまですが、がんを見逃さないためにも適切な検査が重要です。
尿路上皮がんの治療はどのように進めますか?
尿路上皮がんの治療は、がんの進行度や発生部位によって異なります。膀胱にとどまる早期のがんであれば、内視鏡を用いてがんを切除する治療が行われます。
がんが深く入り込んでいる場合や広がっている場合には、膀胱や腎臓・尿管を摘出する手術が必要になることもあります。また、抗がん剤治療や免疫療法を組み合わせることもあります。
治療後も再発の可能性があるため、定期的な検査による経過観察が欠かせません。
血尿は、体からの大切なサインです。一度でも気になる症状があれば、自己判断せず早めにご相談ください。早期発見・早期治療が、将来の選択肢を広げることにつながります。